石英ヒーターというのは電熱器に用いられていますが、石英それ自体が発熱するわけではありません。
これは一種の覆いに過ぎないのですが、見た目の点からこのように呼ばれています。
石英の主成分は二酸化ケイ素であり、簡単に言えばガラスに近い性質があります。
熱に強く透明度も高いことからヒーターにも使えるわけですが、ガラス自体が発熱することは考えにくいのと同じく、石英が発熱しているわけではありません。
その中にはニクロム線が封入されていて、これに電気を通すことで赤外線が放出される仕組みを利用しています。
特徴として、赤外線の持つ効果によって、比較的少ない電力でも暖かさを感じやすいという利点があげられます。
一方でスイッチを入れてから暖かいと感じるまでに多少の時間がかかります。
冬の寒いときに外出先から帰宅したような際など、1分1秒でも早く使いたいというケースにはあまり向いてはいません。
石英は一般のガラスに比べると強度もあって多少のことでは割れたりヒビが入ったりする懸念は少ないですが、それでも乱暴に扱うと割れますのでその点でも注意が必要です。
ちなみに内部に封入されている金属はある種の合金であって、一般的に金属は電気抵抗が低く、電気を通しやすいのですが、合金の中には金属にしては抵抗が大きいものがあります。
抵抗が大きいということは電気を通しにくく、その分のエネルギーが即ち熱エネルギーというか赤外線のエネルギーに変わるのです。